昨年1月にRadavistに投稿されたJohn Prollyのレビューが最高だったので日本語に翻訳してみました!

写真は一部だけ使用させていただきましたが、他にも素敵な写真が満載なのでぜひ本レビューも確認していただけたら!

Radavistのレビューはこちらから

 

以下、日本語訳(byこいこい)

 

 

「アドベンチャーグラベル」のカテゴリーに分類されるいくつかのハイエンドグラベルバイクに乗り、レビューをした後、ジョンはサンタフェが冬の間に特別なプロジェクトに取り組みたいと思い、Black Mountai Cyclesのマイク・ヴァーレイに連絡を取り、レビューのためにMod Zeroを手に入れた。Black Mountain Cyclesのより手頃な価格帯の製品の何が特別なのか、そしてなぜこのバイクがドロップバーに最適なプラットフォームなのか、彼の考えを見ていこう。

<マイク・ヴァーレイは特別な存在>
もし現代のバイクの問題点を知りたければ、バイクショップのオーナーに話を聞くのがよい。もし考え抜かれたバイクが欲しいのなら、バイクショップやメーカーを経営している人から買えばいい。ポイント・レイズに拠点を置くBlack Mountain Cyclesのマイク・ヴァーレイほど、そのポジションを長く占めている人物は他に思いつかない。

私が初めてBlack Mountain Cyclesを訪れたのは2010年、2007年にオープンしてからわずか3年後、私の初めての1週間のバイクツアーの最中だった。ポートランドからサンフランシスコまでAdventure Cycling PCHルートを走り、ダートを迂回したり寄り道したりもした。マイクが私のことを覚えているか、はたまたこのウェブサイトのことを知っていたかどうかは疑わしいところだ。私は恐らく、予備のチューブや簡単な整備を求めて彼の店へとやってくる他のバイクツーリストたちと同じように見えていた(そして臭かった)だろう。

その頃、マイクのバイクコレクションは広範囲に及んでいたが、何年もかけて数台の特別なものを除いたバイク、いわば脂肪を切り落とした。それでも彼のバイクスタンドにかかっている尋常ではないレアなバイクの数々には度肝を抜かれる。Cunningham 29er、Pottsのシグネチャーフレーム、Trailmastersなど何でもある。マイクはきっとこんなバイクたちに乗ってきたのだ。

自分の店を持つ前に、マイクは昨年私たちが掲載した”Dropping In”を含むいくつかの出版物に記事を書き、Haro/Masiで13年間働いて自転車を設計するための闇の魔術を学んだ。他の人のために13年間働いた後の2007年、彼は自分の求める自転車を作るという野望とともにBlack Mountain Cyclesを立ち上げたのだった。

<Black Mountain Cyclesカタログ>
Black Mountain Cyclesの製品の何が特別かといえば、それはマイクが自分の欲しいどんなバイクでも作れてしまうところにある。彼はカーボン、チタニウム、アルミ、スチールなど素材を選ばずにバイクを作ることができる。それでも彼は長寿命であること、乗り心地が良いことからスチールにこだわっている。マイクのバイクはスマートで時代を超越し、用途を選ばない。こういったスチールのフレームとフォークの量産フレームが$2,000を切ることはほとんどない。Black Mountain Cyclesのカタログではカスタムフレームと同等の性能の持つバイクが台湾製ということもあり、より安価に提供されている。

一般的に安価で手に入れやすいスチール製のバイクはかなり重い。手に取るとずっしりと重く、ペダルを漕いでも軽快さに欠ける。しかし私は長期間にわたって特定のモデルに乗ったことはないが、レビューしてきたBlack Mountain Cyclesのバイクはどれも、手に取るだけで私を感動させた。重いバイクではないのだ。さらに付け加えると、オーナーたちは自分たちが乗り換えた元のバイクを引き合いに出しながら、自分のバイクにとても熱中している。

ようやく数ヶ月乗ることができ、控えめに言っても楽しい経験だった。

<フィードバックループ>
どのバイクレビューにも個人的なバイアスは入り込むものだ。客観的な事実はさておき、レビューとは主観的であるべきで私にはある種の倫理観を満たすバイクを取り上げる傾向がある。私が精密なレース仕様のカーボンファイバー製のバイクをレビューする日々は、場所的な理由もあるが、乗るバイクの選択によるところもあって終わりを迎えようとしている。私はライトデューティーなマウンテンバイクのように乱暴に振り回せて、必要とあれば正確にも扱えるドロップバー・バイクが好きだ。正確というのは実際のロードバイクのように乗れるということだ。

マイクのデザインは全てシンプルな言葉で語ることができる。スタンダードなサイズのスチールチュービング、ラック・フェンダー・カーゴケージ用のマウント、そしてスチール製のフォーク。そのラインはエレガントで、クラシックすぎずモダンすぎず、ちょうど良い。もし自転車のフレームが形や容姿をもつとしたら、Black Mountain Cyclesのモデルは簡単にそのデザイン理念に当てはまるだろう。

これらは全てマイクが顧客たちの声に耳を傾けた結果である。最も希少なCunninghamsからウォルマートに売られているエントリーレベルのMagnasまで、あらゆるモデルに乗り、顧客のために現行モデルをカスタムしてきたことも相まって、彼のインプットはBlack Mountain Cyclesの名を冠する全てのモデルに反映されている。Mod Zeroはこれらのフィードバックループをまさに体現するモデルだ。

<Mod Zero、エル・ヴィアヘ(スペイン語で旅の意)>
マイクが現在の顧客や潜在的な顧客たちから受けた要望の一つは、カーボンフォークを搭載したいというものだった。その当時のBlack Mountain Cyclesのバイクはどのモデルも、ヘッドチューブ径が1-1/8”であったためにカーボンフォークには対応していなかった。そこでマイクは現在は廃盤になっているMCDとRoad+フレームを掛け合わせた副産物のようなバイクをデザインした。これらのバイクはどちらも小規模なカルト的ファンに人気がある。

Mod Zeroの最大の特徴は、1990年代にFat City Cyclesが生み出したYo Eddy!フォークへのオマージュが込められたセグメンタルフォークだ。今の市場にこれ以上に素晴らしい量産セグメンタルフォークの例はないはずだ。とても軽量かつ、しなやかで必要なマウントが全て用意されている。

マイクは演説台の上で自らの製品を宣伝するためにスピーチをするようなタイプではないが、Mon Zeroを簡潔に説明するために非常に良い仕事をした。ここでその説明を読んでもらいたいと思う。

「Mod Zeroは、現在廃盤になっているMCDとRoad+フレームのオーナー達から要望のあった機能を盛り込んで原点に立ち返ったモデルだ。熱処理を施したバブルバテッドのクロモリチュービングに始まり、優れたプラットフォームとしての素質を持つMod Zeroは、全ての条件を満たすようなバイクだ。フラットマウントのディスクブレーキは700 x 48mmもしくは27.5” x 2.2”のタイヤに対応する。Mod Zeroのロゴにあるキャッチフレーズは「El Viaje(旅)」。Mod Zeroはまさしく旅に必要なバイクとして組み上げることができるという点で、サイクリングアドベンチャーの完璧なパートナーとなるだろう。」

この旅という言葉は、このバイクの使用目的だけではなく、マイク自身が生涯をサイクリスト、バイクショップ、メーカーのオーナーとして歩んできた道のりを物語っている。彼のここまでの旅はさまざまな意味でこのMod Zeroともう少し冒険的な志向の強いLa Cablaというモデルで最高潮を迎えたのだ。

私がMod Zeroを高く評価しているのはその多用途性だ。ドロップバーの分野では使い古された言葉だが、ここでは適切に当てはまる。Mod Zeroにはフェンダー、ラック、カーゴケージに必要なマウントを全て備えている。そして私はセグメンタルフォークが好きだが、もしカーボンフォークが使いたければ、ヘッドチューブ周りが少し高級になるもののそれも一つの選択肢だ。そして写真では少し鈍重に見えてしまうが、実際に乗ってみるとそんなことは全くない。実際の乗り味はどちらかというと恋人のように優しいものであっても、トップチューブとダウンチューブのガゼットが相まってMod Zeroはタフに見えるのだ。

<Mod Zeroスペック一覧> ※価格、スペック、カラーはレビュー当時のものになります。
フレーム価格:$1,145
おおよその完成車価格:$2,800
フレームサイズ:44cm、47cm、50cm、53cm、56cm、59cm
カラー:シグナルイエロー(RAL1003)、ゴーグリーン(PMS576)
タイヤクリアランス:700c x 50mmもしくは27.5” x 2.25”まで(写真では実測52mm幅のBruce Gordon Rock ‘n’ Road 48mmを履いている)
オールクロモリのダブルバテッドチュービングで作られたフレーム
3連ダボを備えたセグメンタルフォーク
フラットマウントディスクブレーキ(フロント160mm、リア140mmもしくはアダプターを使用して160mm)
インターナルドロッパーポストに対応
スルーアクスル

<ジオメトリーの話>
サイズ選びについて少し書いておきたい。私は普段、伝統的なサイズ基準で62cmのフレームになっているが、マイクは私に56cmサイズを勧めた。
Black Mountain Cyclesのバイクは大きめに作られているので、サイズを選ぶ際は有効トップチューブ長を考慮するようにしてもらいたい。
Mod Zeroはハイスタックで均整のとれたミッドトレイル・ジオメトリーにカテゴライズするのがベストだろう。快適といえば快適だが、アップライトなポジションのクルーザーには程遠い。

ミッドトレイルとは下記のようなものを指す。

ベリーハイ:-80mm トレイル
ハイ:65-80mm トレイル
ミッド:45-65mm トレイル
ロー:30-45mm トレイル

ロートレイルなバイクはシクロクロスバイクのように小回りが効き、コーナリングに素早く反応し、ハイトレイルなバイクはエンデューロバイクのようにタイトなコーナーでもたついてしまう。ミッドトレイルなバイクはその中間でロードバイクのようなものだ。クイックすぎることもなく、かといってもたつくこともないちょうど良さがある。

<パーツスペック>
マイクは喜んであなたが望むパーツやコンポーネントでMod Zeroを組んでくれるだろう。彼のサイトではGRXの1xもしくは2x、SRAM Rivalのコンポーネントを提案しているが、その他のカスタムオプションに関してはショップに電話もしくはメールで問い合わせてほしい。マイクは私に手組みのホイールを使うようにと強く勧めた。Astral Outbackのリムにシマノのハブで組み上げたものだ。フレーム、フォークにヘッドセット、ホイールは昨年のうちに届いた。RitcheyのファーガスはWCSシートポスト、ステム、バーテープ、そして52cmのComp Beacon XLバーといったいくつかのパーツを送ってくれた。

Sincere CyclesのベイリーがAvidのブレーキを注文してくれて、私は48mmのBruce Gordon Rock ’n’ Roadを履かせた。ブルースとマイクが友人同士でたった20マイルの距離に住んでいることからもこのバイクにはこれがピッタリだと思った。このタイヤはOutbackリムの上で膨らみ、チェーンステーとの間に0.5mmほどしか隙間ができないほどにフィットした。これらの写真を撮る前に、Campandgoslowのバーテープを巻いておいた。私はライドに新しい仲間を連れていくのが好きなのだ。

組み上げるのには少し時間がかかって、すぐにMeriwether CyclesのPonderosaに乗るライドの合間に乗り始めるようになった。これも良い比較対象になるバイクだが、詳細はまた後日。

・Sword Black
恐らくSword Blackはフレームに次いで、このビルドで最も印象的なコンポーネントの選択だろう。なんということだ。なんて素晴らしいグループセットなんだ。今週末には長編のレビューが掲載される予定だ。感動した!

・コンタクトポイントと回転質量
マイクがホイールを送ることにこだわったのは、良いホイールセットがバイクの性能を最大限に引き出すための最良の方法だからだ。市販されているバイクについているホイールセットには重く、もっさりした感じがするものもあるが、このホイールはチューブレステープとバルブ込みでもフロント850g、リア960gほどで小売価格でも$838だ。これらのパーツは全て、私がどのようにこのバイクを仕上げたいかという希望に沿うようなコストパフォーマンスの良い組み合わせを提供してくれた。

 

<レビューメモ>
バイクレビューのプロセスでは、そのバイクについてどう書こうかと考える時間と同じくらい、そのバイクに乗ることに多くの時間が費やされる。私自身のプロセスは通常、バイクの分類を文脈化することと感覚を説明するのに役立つ個人的なエピソードの中間にある。Mod Zeroの背景にある意図は頑丈かつより手頃な価格のアドベンチャーグラベルバイクを作ろうとするものだった。

私の言う「より手頃な価格」とはどういう意味か説明すると、私のMeriwether Cycles Ponderosaは$5,800で組み上げた。昨年レビューしたKONAのOuroborosは$6,999ほど。これらは手頃な価格のバイクではない。Mod Zeroであれば恐らく$2,800から$3,000ほどで組むことができるだろう。重量は約12kgで、昨年に私が取り付けたドロッパーポストとアルミホイール組み合わせで現在約11kgのPonderosaよりもわずかに重い。Ouroboros SupremeはRockShox Rudyサスペンションフォーク込みで約10.8kgほどだった。

その他の比較すべきバイクとしては値段をつけようとしてもつけられないがBruce GordonのMonster Crossが挙げられるだろう。

そのバイクの走りがあまりにひどいものなら価格に意味はない。しかしMod Zeroにそんなことはない。私のあらゆる期待を超えているのだ。

<ライディングに関するメモ>

バイクをレビューするとき、私はしばしばライディング中に止まってメモをとる。それは通常、バイクの走りに関して何か気づきがあったときで、高速域での動きやオフキャンバーなダブルトラックでの走り、登りでいかに加速するか、あるいはペースが遅くて調子が出ないときにバイクが味方してくれるかどうかなどだ。

暖かい夏から寒い冬と数ヶ月に渡るライドを通して、Mod Zeroは様々な役割をこなすことができた。体力がピークに達した夏にはペダルを踏み込んで何マイルも恐れを知らずに走り続けた。一方、冬のライドはもっと落ち着いたものになる。呼吸とケイデンスに集中し、長い距離をゆっくりと走る。

未舗装路のグラベルライドから始めて、最後にはシングルトラックを走るという日も何日かあった。また、流れの良いクロスカントリートレイルからスタートし、長いダートループで終わる日もたくさんあった。

Mod Zeroはカテゴリーに縛られないバイクだと感じた。完全にロードバイクというわけではなく、完全にミックステレインバイクというわけでもない。前述の通り、このバイクはミッドトレイル・カテゴリーの上位に位置し、その性格は均一で思い通りに扱える形で反映されている。ジオメトリーはクラシックなロードバイクに近く、ロードレース用ではない直球のロードバイクだ。私が乗った56cmは72.5°のシートアングルに72°のヘッドアングル、そして70mmのBBドロップで構成されている。

私のBruce Gordonやマイクも親しんでいるEddy Merckxのロードバイクのように、この”パラレル”ジオメトリーは常に正しいポジションにあるように感じられる。ヘッドアングルが緩いとバイクの後方に乗っているように感じられ、シートアングルが立っているとバイクの前方に体重がかかる。Mod Zeroの特性の多くはそのパラレルジオメトリーにある。パラレルなバイクはライダーを中央に配置する。

登りでは、どんなに身体をひねっていたとしてもバイクは自分の下に収まってくれる。サドルに身体を預けて落ち着いて乗れる一方で、サドルから身体を浮かせればペダリングする求心的な足の動きで急速に踊り出す。スタックが高いということはブラケットの位置でもドロップの位置でも快適に下れることを意味し、その点でRitcheyのComp Beacon XL barは活躍する。しかし、ハイスタックなためにグラベルレーシングバイクには程遠い。少なくとも大手メーカー製のカーボングラベルレーシングバイクと比較したらの話ではあるが。

このバイクに乗っている間に印象に残ったのは、負荷をかけたときのバイクのしなりの良さだ。ペースの速いペダリングであれ、シングルトラックに突っ走る時であれ、車体全体がライダーに逆らうことなく一緒に動いてくれる。言うなれば、ライダーをリードして”踊る”のだ。たとえフロントフォークが洗濯板の波形の上で共振とバランスを見つけ出し、目に見えるほどしなり、ある日ライド仲間に「どんな感じ?」と聞かれるほどだとしても、私の答えは「とてもスムーズだ。」という一点に尽きる。

自転車とともに人生を歩んできた者として、マイクは明らかにMod Zeroの設計に全力を注いでいる。よく設計された道具という感じだ。重すぎず、軽すぎず。完璧なバランスで与えられた役割のために研ぎ澄まされている。無限の選択肢があるようにも思える世界の中で、このような完璧にバランスの取れた道具を見つけるのは大変なことだが、マイクはこのMod Zeroで何かを掴んだようだ。

 

<要約、そして総括>
Black Mountain CyclesのMod Zeroは顧客からのフィードバックと数十年に渡って他社のバイクを扱う中で学んだ教訓を表している。これは反動的になりがちな自転車業界に対する熟慮された答えなのである。多用途性という言葉はよく使われるが、これほど均一なキャラクターで過不足なく旅に求めらる要素を全て兼ね備えたバイクはあまりない。スチール製のフレームとフォークは市場に$1,000ほどで出回っているハイエンドなカスタムオプションと同等の乗り心地を提供してくれる。誤解しないでもらいたい。Mod Zeroは肥沃な大地に自信を持って乗り込むできる高い費用対効果を持っているのだ。

このバイクは非常に素晴らしいグラベルバイクのプラットフォームだが、私たちはどういうわけか最新のテクノロジーを追い求め続けてしまう。もしそういった製品を見ることに飽き飽きしていたら、ぜひ試してみてほしい。

私にMod Zeroに乗る楽しさを教えてくれたマイク・ヴァーレイに多大なる感謝を。

<長所>
・カスタムメイドのバイクよりも安価で、優れた乗り心地に対しての競争性のある価格
・カーボンフォークにも対応
・豊富なマウントでカスタムやオーダーメイドのバイクでなくても夢のバイクプラットフォームを組むことができる
・十分なタイヤクリアランス
・外装ワイヤールーティング
・人里離れたトレイルでのアドベンチャーライドに向けたハイスタック設計
・バランスのとれたパラレルジオメトリー
・扱いやすいミッドトレイルなフロントフォーク
・スチール製フレームはしなやかで、他の量産スチールバイクの戦車のような鈍重さはない

<短所>
・44mmヘッドチューブはトップチューブやダウンチューブよりも太いが、Mod Zeroの多用途性とのバランスは取れている
・すっきりとした美しさを求める人にとってはマウントが多すぎるかもしれない
・アドベンチャープラットフォームはより速いフィーリングのバイクを求める人にとってはアップライトすぎるかもしれない